フールプルーフ(Fool-proof) とは、人為的なミス(誤操作やうっかりミス)を防ぐための仕組みや設計のことを指します。ユーザーが間違えた操作をしても、事故やトラブルが発生しにくいように工夫されています。
日常生活のフールプルーフの例
- コンセントの形状
→ 差し込む向きが決まっているため、逆向きに挿せない。 - USB端子(Type-A)
→ 正しい向きでしか挿せない(ただし、Type-Cでは改善)。 - ICカードの非接触決済(Suica, PASMO など)
→ カードをかざすだけで支払いができ、方向や向きのミスが起こらない。 - 電源プラグの極性
→ 三つ又プラグは向きを間違えて挿せないようになっている。 - シャンプーとコンディショナーのボトルの違い
→ シャンプーのボトルにはギザギザのマークがあり、手触りで区別できる。 - エレベーターの開閉ボタンのデザイン
→ 「開」ボタンは広がる矢印、「閉」ボタンは閉じる矢印で直感的に理解できる。 - 自動販売機の釣り銭口の形状
→ コインを取り出しやすいように、指が入りやすい構造になっている。 - 自動車の給油口のフタ
→ 走行中は開かないようになっている。
機械・家電のフールプルーフの例
- 電子レンジのドアセーフティ機構
→ ドアが閉まっていないと動作しない。 - 洗濯機の蓋ロック機能
→ 蓋が開いていると洗濯機が動作しない。 - IHクッキングヒーターの安全機能
→ 鍋を置かないと加熱できない。 - オーブンレンジの自動温度制御
→ 高温になりすぎないように温度を調整する。 - 掃除機のコード巻き取り機構
→ 無理に引っ張ると止まるようになっている。 - 炊飯器のふたロック
→ 圧力炊飯器は、炊飯中にフタが開かないようになっている。 - カメラのSDカード挿入方向
→ 逆向きには挿入できないようになっている。
乗り物・交通のフールプルーフの例
- シートベルトの装着警告
→ シートベルトを締めないと警告音が鳴る。 - 車のキーの形状(最近はスマートキー)
→ 逆向きには挿せない。 - ブレーキとアクセルの配置
→ 一定の配置ルールがあり、間違えにくい設計。 - AT車のギアロック機能
→ P(パーキング)に入れないとエンジンがかからない。 - 電車のホームドア
→ 電車が到着しないと開かない。
コンピュータ・IT関連のフールプルーフの例
- パスワードの入力制限
→ 「8文字以上」「大文字小文字を含む」などのルールを設定し、不正なパスワードを避ける。 - 「保存せずに閉じる」時の警告メッセージ
→ 文書やファイルを編集して保存せずに閉じようとすると、警告が表示される。 - ゴミ箱の「削除の確認」ダイアログ
→ 重要なファイルを誤って削除しないように警告を表示。 - 送信前のメールの誤送信防止機能
→ 「添付ファイルを忘れていませんか?」の警告表示。 - Caps Lock のオン警告
→ パスワード入力時に Caps Lock がオンになっていると警告が出る。 - USBポートの形状
→ 逆向きに挿せないようになっている。 - スマホの指紋認証/顔認証
→ 他人が勝手にアクセスできないようにする。
医療・インフラのフールプルーフの例
- 病院の薬のラベル
→ 似た薬でも間違えないように色分けされている。 - 自動販売機のおつり・取り忘れ防止アラーム
→ お釣りを取り忘れると音で知らせる。 - コンビニATMのカード取り忘れ防止機能
→ カードを抜かないと現金が出ないようになっている。 - 医療機器の安全ロック
→ 誤操作で危険な状態にならないように、ロック機構がある。 - ガソリンスタンドの給油ノズル
→ 給油口に合わない燃料は入れられないようになっている(ディーゼルとガソリンで形状が異なる)。
フールプルーフのポイント
- ユーザーが間違えないように 設計されている
- 誤操作を防ぐために、形状や動作に制約がある
- 人間のミスを想定し、ミスが発生しにくい仕組み を取り入れる