高齢の方(80歳くらい)が日本の歴史についてパワーポイントを使い、熱意を持ってプレゼンを行ったのを見て、感じたこと。
驚いた点(良かったと感じた点)
- 元気で聞き取りやすい話し方
- 高齢者ということで声の大きさや滑舌が気になりそうですが、話し方が元気でハキハキとしており、とても聞きやすかったです。
- パワーポイントのスキル
- 高齢者でありながら、パワーポイントを活用して視覚的に分かりやすい資料を準備していました。
- 写真やグラフが多く使われており、視覚的に情報を捉えやすくなっていました。
- 今まで聞いてきたこととは異なる視点での説明(大学の先生の話とは異なる視点)
- 日本の労働不足の現状に対して、「外国人留学生が日本の労働市場において期待されていること」という視点での話でした。
- (今までは、「自分はどうしたいか」という視点で考えてきた。)
さらに魅力的にする工夫
1. 実体験をもっと
- ポイント:
一般的なデータや知識の説明に、実体験をもっと追加することで、より具体的で親しみやすい内容になると考えます。これにより、聞き手は単なる情報としてではなく、「実際に起こったこと」として聞くので興味を持ちやすくなります。 - 具体例:
- バブル期の説明をする際、まず「1989年の日経平均株価が38,915円と史上最高値を記録し、株式市場が異常な盛り上がりを見せていた」といった一般論を提示する。その後に「私も当時は会社の仲間とよく飲みに行き、ドンペリを開けるのが当たり前のような時代だった」といった実体験を加える。
- バブル崩壊については、「崩壊後に地価が大幅に下落し、多くの企業が経営危機に陥った」という一般論に続けて、「私の知り合いの会社も倒産して、当時は周囲でも大きな混乱がありました」といった個人的なエピソードを詳細に付け加える。転落する時の話の方が学びが多い。どういった状況になるのか、どういった心境になるのか、といったことを具体的に述べる。
2. 一人で話さず、複数人で掛け合いをする
- ポイント:
一人で話し続ける形式は、どうしても単調になりがちです。複数人が掛け合い形式で話すことで、聞き手にとってリズムが生まれ、話が聞きやすくなります。また、異なる視点が加わることで内容に深みが増し、飽きさせないプレゼンになります。 - 具体例:
- 高齢者が中心となりつつ、若い世代や同世代の他の話し手と一緒に話す。
- たとえば、バブル期を経験していない世代の視点で「それってどんな感じだったんですか?」と質問を交えると、聞き手にも興味を引きやすい。
- 役割分担を決めて、「バブル期の明るい部分はAさんが話し、崩壊の影響や現代との違いはBさんが補足する」といった形にする。
3. 参加型の形式にして聞き手を巻き込む
- ポイント:
一方的に話すのではなく、聞き手を巻き込むことでプレゼンが対話型になり、集中力が持続します。特に高齢者の経験談に対して、若い世代からの質問や感想を引き出すと、双方にとって実りのある時間になります。 - 具体例:
- 5分間の話をしたら、5分間の質問や感想の時間を設ける。
- 話の中で「この時代を知っている人、いますか?」や「皆さんの国や地域ではどうですか?」と問いかけを挟む。
- 留学生がいる場では「バブル期の日本を聞いて、自分の国と似ていると思う部分はありますか?」といった質問で交流を促す。
4. 図や表の出典を明記する
ポイント:
図や表を使用する際に出典を明記することは、プレゼンテーションや資料作成において欠かせないマナーです。これにより、情報の信頼性が高まるだけでなく、元の著作者への敬意を示すことができます。また、聞き手にとっても情報の出所が明確になるため、内容の理解を深めるきっかけとなります。
具体例:
- グラフや統計データをスライドに載せる場合は、グラフの下に「出典:総務省統計局『令和元年国勢調査』」のように記載する。
- 歴史的な写真や図表を使う際には、「出典:国立国会図書館デジタルコレクション」といった形式で明示する。
- 自作の図であっても、データの基となった資料がある場合は「データ出典:経済産業省『労働力調査』」などと補足する。
効果:
- 信頼性の向上
出典が明確であれば、聞き手が「この情報は信頼できる」と感じやすくなります。また、元データが信頼性の高いものであれば、プレゼン全体の質も向上します。 - 著作者への敬意を示す
図や表の作成には多くの労力がかかっています。それを利用する際に出典を明記することで、情報を提供してくれた著作者や団体への感謝と敬意を表すことができます。 - 聞き手への利便性
聞き手が興味を持った場合に、元データを簡単に調べられるようになります。これにより、プレゼンテーションが聞き手のさらなる学びの起点になる可能性があります。
具体的な構成例
- 導入(5分):
- 高齢者が実体験を語る(例:バブル期の思い出)。
- 同時にデータや背景情報を簡潔に説明。
- 掛け合いトーク(10分):
- 若い世代や他の話し手が「そのとき具体的にどんなことをしましたか?」と質問しながら話を進める。
- 互いの視点を交え、対話形式でプレゼンを展開。
- 質問タイム(5分):
- 聞き手からの質問や感想を受け付ける。
- 時間を区切って参加型の雰囲気を作る。